平岡びょうの50代から描く人生ノート

50代から始める介護・仕事・健康について

認知症にならないために逃げ回るよりも・具体的な症状やメカニズムを知ろう

介護施設で働いているびょうです。

 

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家で一人で認知症の母の介護をしています。

母はアルツハイマーの診断ですが、ひとりで外出できず、短期記憶が溶けるように消えていく他は、普通の高齢者とさほど変わりのない状況です。

おそらく、身近に認知症の人が居ない人が恐ろしいと考える認知症の方とは全然違うと思います。

 

 

 

 

 

認知症は恐ろしい?

 

よく「認知症になるなら死んだほうがマシ」

認知症になるなら殺して欲しい」

などと言われるように、家族が認知症になるのも自分がなるのも恐ろしいと感じる人が多いように思います。

たまに見る韓国ドラマでも、認知症が診断されると、まるで末期の癌が発覚したようにみんなが泣き、本人も余命宣告を受けたような描写になります。あれを見ていると、実際に家族がなっていて、かつ、職場のほとんどの人が認知症である私は、妙に白けた気持ちになるのです。

 

認知症の中核症状と周辺症状

介護福祉士国家試験にも出る認知症の症状ですが、わかりやすいのが次の図解です。

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石川県羽咋市のページから引用させていただきました。

認知症の症状について/羽咋市公式ホームページ

この「中核症状」というのが「誰でもなる基本的な症状」であり初期症状でもあります。

その後、それぞれの生活環境や持っている性格などにより、周辺症状と言われる外枠の症状がでてきます。これは本当にひとそれぞれ。

うちのケアマネジャーが言うには、発症しておおよそ3年で、それぞれの個性が出てくるということでした。

母はもともとが抑うつ状態がありましたが、診断から4年が経ちましたがその周辺症状はほとんど見られません。

 

高齢者の困難は認知症ばかりじゃない

排泄の失敗に関しては、介護施設で働いていると認知症ではない方でも、年齢とともに動作が緩慢になり、尿意を感じてもすぐに動き出すことができず失敗するというのは非常に多いです。尿意を感じるのもタイミング的には遅いと思います。そして失敗しても取り替えるのが面倒と思ったり、人によっては頻繁に取り替えるのが勿体ないと感じる人もいます。

 

認知症=攻撃的という訳でもない

そして「攻撃的な言動」については、もちろん認知症からそうなる方もいますが、うちの母の場合は専門的な先生に診てもらった結果、認知症の薬によって、より認知機能を高めるために神経を刺激したことで攻撃的になっていたらしく、精神薬を併用することにより、攻撃的な不穏の症状が無くなりました。この件に関しては認知症ではなくその薬による症状ですから、まあ、濡れ衣もいいところです。

 

母が攻撃的になっていた時には、夜中に「通帳をよこせ!」「なぜお金を持たせないのか!」という怒りの行動、「お金が無くなったら追い出される」「お金は大丈夫なの?」という不安の症状がありました。夜中にどんどんと部屋のドアを叩き、こうしたことを訴えてくるものですから、不眠症を抱える私にはたまったものではありません。ある時は、怒りに任せて部屋の観葉植物を半分に折って引きちぎってしまいました。その植物も新しく鉢に植えて、二本になりその後大きく成長しました。

 

専門医でなくても旨味がある認知症外来

実際に母のことでいろんな病院を受診しましたが、超高齢社会が進む中で、物忘れ外来をやると儲かりますから診察はしますし、認知症の薬は基本的に28日周期ということで一月分を処方できますから、お金になりやすいようですし、その後の調整はあまりなさらず、ただ薬を出すという病院が多いように思いました。精神薬を併用してくれる先生がいなかったら、母はもう施設に入っていたのではないでしょうかね。

 

 

一般的な認知症のイメージはここから作られた?

よく考えられる認知症の症状は

・真夏に冬のコートを着て外を歩き回る

・歩いてまわる内にわからなくなり行方不明になる

・排泄物を壁一面に塗りつける・食べる

・家族の顔もわからなくなる

なんてのが多いと思います。

おそらく、昔一世を風靡した有吉佐和子さんの「恍惚の人」からのイメージではないでしょうか。

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この本は昔に書かれたものですが、残念ながらこの本のときと状況はあまり変わっていません。

テレビ作家でわかりやすい文章をお書きになる有吉先生の本ですから読みやすく、高齢者を取り巻く環境、その家族のことがわかる良書ですので、興味のある方は読んで損はないと思います。私は2冊持っています。

 

認知症にならないための〇〇は信用できるか

認知症は怖い、認知症には絶対になりたくない、と思う人達が多くなると、今度は「認知症にならない為にはこれをしろ!」「これを飲めば認知症にならない!」と謳う商品も目立ってきました。私は部屋のテレビがないので目にするのは主に、利用者さんのおむつ替えをしている早朝なのですが、認知症の方のお部屋でおむつ替えをしながら、原発は安全ですよ!と広告していたタレントさんが「これを飲めば認知症にならない!」と言っているCMを見て、虚しい気持ちになります。

 

認知症にならないために、脳トレをしよう、みたいなことも良く見かけますが、うちの母は高齢になってから夜間高校に通い、PCを駆使して海外にメル友を多く持ったり、ブログをやったりしていましたから、その活動と発症には直接的な因果関係は無いと思っています。

 

認知症のメカニズムを知る

認知症の中でもアルツハイマーは脳内にアミロイドβというタンパク質が蓄積されて発症するものだそうです。また、ある研究では脳内にアミロイドβが一定数蓄積されていても発症しない人もいるのだそうで、やはり人間の身体のメカニズムというのは不思議なものです。それを人間の力でなんとかしたい、打ち勝ちたい、という神に対する挑戦状みたいな活動は多いものですが、打ち勝つのはなかなか難しいものであります。

 

誰でもなる可能性が高い血管性認知症

ここまではアルツハイマー型のことを書いてきましたが、よく知られているように、アルツハイマー認知症は女性が発症しやすい病気です。

男性の場合は血管性認知症が多いのですが、これは脳梗塞などにより起こる認知症です。名前の通り、血管が詰まったりすることで血流が遮られ認知症を発症します。今までお世話した中でも多くの方がとても元気に仕事をしていたけれど、ある日突然脳梗塞で倒れ、左右どちらかに麻痺が残り、認知症も発症して施設に入られている、という男性が多いです。悲しいけれど、それをきっかけに離婚されて誰も面会に来ない、という方もいらっしゃいます。

 

また偶然かもしれませんが、こうして脳梗塞から施設入居になられた方は若い方が多く60代前半の方なんかは接していて全然高齢者という感じはないんですよね。ほんと、自分のお兄さんお姉さんという年齢の感覚なので本当に身につまされる思いです。

 

恐ろしい幻視が見られるレビー小体型認知症

その他にもレビー小体型認知症というのもあり、あのオノ・ヨーコさんが羅患しているので話題になりました。レビー小体の方は幻視が顕著で、私が接した方の多くは「川が流れている」というのがありました。歩いていても目の前に、私達には見えない川が流れているので、渡れない、通れない、と言われます。全く発語がない方でその川から糸をすくいあげ、長時間その糸を手繰り寄せて歩き続ける方もおられました。その時は一対一の介護でしたから、一晩中、糸を手繰り寄せるのにお付き合いしたりしました。

 

また、幻視と言っても花や蝶が舞う中で暮らすなら良いのでしょうけど、具体的に聞くとかなりグロテスクなものが多かったです。首が流れてくる、と訴えていた方もいました。こうしたことを聞くと、もっと早くに興味を持ってそういう研究ができる立場になったら良かったなと思ったりもしますが、実際には研究よりもより多くの認知症の方とお会いする機会を作るほうが実際的でもあります。怖がるばかりではなくお世話する方に回るのはとても興味深いですよ。

 

人格が変わったと思われる前頭側頭型認知症

今までの仕事やプライベートでもまったく関わりがないのが、前頭側頭型認知症です。

昔はピック病と呼ばれていた病気ですが、これは若年層でも発症するということです。学校で解説された時には「善悪の区別がつかなくなる」と言われ、悪いと思わず万引をしてしまったりするそうです。これは、人間らしさを司る脳の部位が前頭葉なので、そこに支障をきたすと、万引や信号無視などのマナーを無視した行動に走るということ。ネットを見ていると、悪気は無いのに子供の結婚式で前の恋人の話をした、なんていうのも見ました。これは恐ろしい病気と感じますが、発症する平均年齢は55歳だそうです。他にも発語に問題があったり、常同行動(何度も同じことをする)などがあるそうです。

 

nakamaaru.asahi.com

認知症にならない為に人生を浪費するのは愚かである

認知症、というのは実にさまざまなものがあり、それを防ぐことは難しいのです。

それこそ、昔は人生50年と言われて、脳に支障が出る前に身体が滅んでしまっていたのでわからなかった事が、医学の進歩と共に寿命が伸びて、今や人生100年時代となり、脳の老化に伴い思いもしなかった行動に走ってしまう現代。加齢、老化は等しくみんなに訪れますから、どうやってそこから逃れるかよりも、そうなる前にやりたいことはやっておく、片付けるものは片付けておく、という考えがいいですし、結局の所、今を生きる、というのが大切なのだと痛感するのです。

 

 

お読みいただきありがとうございました。

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